著作権という概念は、古代や中世にはみられないそうだ。というのは、著作という行為はあっても、それを伝達する手段は限られていたし、複製行為も限られた人々しか行っていなかった上に、複製という行為が大変な作業であったからだ。古代エジプトで行われた複製は奴隷の手によるものだったし、中世ヨーロッパでは僧侶が行っていた。
では、いつ頃から著作権という概念が生じたかと言うと、それは15世紀後半、印刷術が普及した頃からである。
手作業の複製から活版印刷の複製になり、カンタンにコピーしやすくなれば、それだけ海賊版が出やすい状況になる。これでは、出版社はお手上げである。
だから、出版業界は、自分のところ以外の出版はさせじと、国家に頼む。出版という商売を国からの特許制度にしたのだ。そうすれば、勝手に海賊版を作ることはなくなるし、もしあったとしても、見つけて罰することができる。
国家も国家で、特許料を得られて財政を潤すことが出来るし、何より事前に出版物を知ることで検閲が出来る。
こうして、国家と出版社との利害は一致。イタリア、ドイツ、フランス、イギリス、と次々に出版特許制度が用いられるようになっていった。
著作権という概念が生まれてから、もう500年以上が経とうとしている。そして、その中で、いろいろな議論が行われてきた。著作権と言う権利がどういう根拠をもっているかというのもその1つであろう。
この議論には、2つの立場がある。1つは功利主義であり、もう1つは精神的所有論である。
| 功利主義 | 精神的所有論 | |
| 著作権の根拠 | 創作活動を活発化させるため | 著作するという労働が、自然にその著作物に対する所有権を生じさせるから |
| タイプ | 英米型 | 大陸型 |
| 保護対象 | 方式主義 | 無方式主義 |
| より大切なもの | 著作財産権 | 著作人格権 |